メイドインジャパンーーー2013

かつて世界を席巻した日本の製造業。しかし今や、円高、経済危機、中国や韓国などの台頭にあえぎ、自動車や家電のトップメーカーですら、赤字、縮小、リストラといった厳しい対応を迫られている。そんな中、メイドインジャパン商品とそれを生み出す技術、人、誇りを守り、生き残るにはどうしたら良いのか。靴産業、皮革産業はもちろん、日本のすべての製造業が抱える問題を、NHKがテレビ60周年記念ドラマとして2013年1月26日から3回に分けて放映する。タイトルはずばり「メイドインジャパン」。危機に瀕する巨大電機メーカーと新興の中国メーカーの技術特許をめぐるせめぎ合いに熱い男たちの戦いがからみ、ドラマは二転三転していく。出演は唐沢寿明、高橋克実、大塚寧々、酒井美紀、吉岡秀隆、岸部一徳、國村隼—。
そのドラマ(作・井上由美子)のノベライズ(作・鈴木詠崇)がリンダブックス文庫から発行されている。物語の面白さもさることながら、メイドインジャパンとは何か、それを守り、日本の製造業(靴や皮革産業)を世界との戦いの中で最適化していくにはどうすれば良いのか、知らず知らずのうちに考えてしまう。
日本の靴産業・皮革産業の発祥から143年、戦後の統制解除(再スタート)から63年。メイドインジャパンの靴も皮革も正念場を迎えている2013年。良い年にするために、明るい未来を拓くために、暮らしを幸せにするものづくりとそれを実現する体制作りが急がれる。