入居者情報

FERMI+ (フェルミプリュス)

Profile

安部陽光
慶應義塾大学卒業後、文化服装学院に入学。卒業後、FERMI+を立ち上げる。ブランドコンセプトは ”世の中にない新しいアイデアをカタチにする” 商品の構造やデザインの新しさだけでなく、ブランドを取り巻くシステムの新しさの構築も目指すブランドです。

この仕事に入ったきっかけ

大学時代、経済学を専攻していましたが、モノの価値を価格や売上高といった数値でのみ評価するアプローチに限界を感じるようになりました。無機質な経済理論が示す価値基準ではなく、真に価値あるものを生み出す世界とは? それを模索する中で、手を動かし、自らの手で価値を創造することの魅力に気づき、自分でもものづくりをしてみたいという思いが強くなっていきました。自分が学んできた経済学の視点を生かして、ビジネス的な観点も含めたものづくりに挑戦しています。

起業した理由

ものづくりの業界に身を置く中で、「美しいもの、便利なもの、優れたものを追求していく」という、ものづくりそのものとはまた別に、業界全体が抱える非効率で歪んだ販売・生産システムの問題に直面しました。ものづくりの中でも特にアパレル業界が抱える、大量生産と過剰消費を前提としたビジネスモデルをどうにか改善したいという強い想いが、起業の原動力となっています。今までのビジネスモデルから脱却し、より健全で、持続可能なシステムを未来を目指すために、自分自身のブランドを立ち上げることを決意しました。

なぜ今、浅草にいるのですか?

浅草は、ものづくりにおいて非常に利便性の高い地域です。レザーの仕入れはもちろん、金具屋や生地屋、縫製工場など、必要な資材や企業が近隣に集積しており、企画から製作までの全工程を自らの手で管理できる環境が整っています。実際に自分の目で多くの材料を確認し、手に取ることで、デザインの細部にまでこだわり抜いたものづくりが可能になる場所だと思います。

死ぬまでに作りたい!あなたの逸品を教えてください

少し変わった話かもしれませんが、私が死ぬまでに作りたいものは、売れないものです。現在市場にあるほとんどの商品は、売るためにデザインされており、真の自由が失われています。これはハイブランドでさえ例外ではありません。 売上やマーケットトレンドに一切影響されず、純粋に自分自身の価値観を反映させた、自由な発想で生まれるモノを形にしたいです。それは、商業的な価値を超えた、私自身の理念と美学を体現するものです。