この仕事に入ったきっかけ
もともとジュエリーが好きだったのがまず1つめの理由です。特にK18素材の繊細なデザインのものが好きでしたが、20代でインドネシアを訪れた時に銀線細工のアクセサリーに出会いました。見学させてもらった工房は、電気も安定供給されていないような、けして設備が整っているとはいいがたい環境でしたが、小口バーナーとピンセット程度しか用いずに、驚くほど繊細なアクセサリーを生み出す職人さんの手わざに、心から感動しました。同時に「自分でも作ってみたい!」と思い、どうせなら自分の好きなK18素材で自分好みのデザインのものが作れるようになりたいと思い、帰国後、彫金教室に通い技術を身に着けました。そこで気づいたのが、自分は意外と「黙々と作業するのが好き」ということ。こつこつと作品に向き合う作業に向いているのはと感じたのが、この仕事を選んだもう1つの理由です。
起業した理由
彫金教室に通い始めたころは「ゆくゆくは起業をしよう」などという気ではなく、モデル業をメインにしながら「自分の好きな素材で好きなデザインのジュエリーを作れるようになるため」という、全くの趣味感覚でマイペースに彫金教室に通っていました。そうして楽しく続けているうちに技術も身についてきて、作品も増えていきました。そこで素材をシルバーからK18にシフトし始めたあたりから、起業を意識するようになったのです。そうなったのは、同じ彫金教室で学ぶ人たちの情熱に触れたことが大きかったと思います。最初は「ジュエリーを作れるようになりたい」から始まって、「自分がデザインして制作したジュエリーを、誰かが選んで身に着けてくれるのが見たい」に変わったのは、起業を目指している人たちが、いい意味で野心をもって「いいものを作ろう」と努力する姿を見るうちに、私も自分のデザインで勝負してみたいと意欲が湧いてきたからです。
なぜ今、浅草にいるのですか?
台東区内にはジュエリー関連の業者が多く集まる御徒町もあり、同業者が多い分、ジュエリー製作のための道具・素材の調達に便利だからです。 また台東区内には伝統工芸品を扱うお店や工房も多くあります。ジュエリーだけではなく様々なジャンルの職人の仕事を見ることができるので、そうした中で思いがけないところからデザインのインスピレーションを得ることができる点も、浅草にいる大きなメリットだと思います。
死ぬまでに作りたい!あなたの逸品を教えてください
日本の伝統技術をモダンに取り入れたジュエリーです。 既にTommeliseでは甲州貴石切子(:宝石に切子細工を施したルース)をあしらったジュエリーを展開していますが、切子細工以外でもそういった伝統技術とジュエリーをミックスさせた品を作ってみたいと考えています。