この仕事に入ったきっかけ
増渕:子どものころ、初めて買ってもらったサッカースパイクをきっかけに、靴のデザインに興味を持ちました。「あの選手が履いているモデルは?」「このモデルはかっこいい」などと毎日雑誌を見ているうちに、靴をデザインする仕事に就きたいと考えるようになりました。小学生からの夢を実現するために入った靴の学校で、【デザインを作りだす面白さ】【イメージを形にする面白さ】を知った事が、靴づくりを一生の仕事にしようと決意した大きな要因です。 石井:小さい頃からサッカーをやっていて、練習で汚れたスパイクを磨くのが大好きでした。特に天然皮革のカンガルーレザーを使用した黒のスパイクは磨き甲斐があり、手入れをすればするほど馴染みが良くなる革に心が惹かれていきました。こうした体験を通じて、メンテナンス、エイジングという観点から革製品が好きになり、趣味として近所の靴教室で自分の1足を作ったことが靴を仕事にする第一歩となりました。
起業した理由
海外のアンティークショップで作りかけの古い靴が売られているのを見て、まだ完成していない木型に入った状態の靴がとても美しく見えました。この美しさをもっと多くの人と共感したいと思ってアートとしての靴を作ったことがditoを起業するきっかけとなりました。 靴には皺ひとつない新品のような状態の美しさもあれば、履き込まれ生活と共に変化していく靴にもまた美しさがあります。私たちは毎日のように履き、傷んだらメンテナンスをして長く履き続けられる靴、そんな靴も世に送り出したいと思い起業しました。
なぜ今、浅草にいるのですか?
浅草は古くから革の街、靴の街として栄えています。少し歩けば問屋さんがあり、靴作りに必要な材料は全て手に入ります。特に革は生き物なので一つ一つ個体によって違いがあるので、手にとって自らの目で見て納得のいく物を選ぶようにしています。お客様に足を運んでもらうのは少し遠いですが、なるべく良い物を作り、お客様の手元にお届けできるように、私たちは浅草という革の街に身を置いています。
死ぬまでに作りたい!あなたの逸品を教えてください
メンテナンスをしながら一生モノのアイテムとして身につけられる、1stオーナーが子や孫に、もしくは第三者へ受け渡す、次のオーナーがまたメンテナンスをしながら、再度一生モノとして身につける、何世代にも渡って、手に取る人にとって大切な一生モノとして、残り、受け継がれるよつな良品が作りたいです。受け継がれる頃には僕らは無くなっていると思いますが。