入居者情報

LUCKYCAT DAYS(ラッキーキャットデイズ)*2026年入居

Profile

柏俣 岳哉
工学院大学大学院応用化学専攻修了後、文具メーカーにて研究開発に従事。
染料・顔料の合成やインク研究に携わる中で、くみひもと出会い、染色と組技法を学ぶ。2025年に独立。
色素・組技法・素材の関係性に着目し、伝統技術と現代科学の双方からものづくりを探求。
くみひもの新たな可能性を提示する制作を行っている。

この仕事に入ったきっかけ

染色技法を学ぶ過程で、歴史的な組技法であるくみひもと出会いました。学びを深める中で、装飾性と用途の両面において卓越した技術を持つことを知りました。
くみひもは日本各地の神社仏閣の文化財にも見られ、当時の高度な技術が現代まで受け継がれています。日本人特有の色彩感覚と精緻なものづくりが融合した工芸であり、用・機能・美を兼ね備えた存在でもあります。
一方で、その価値が一般には十分に認知されていない現状に違和感を覚え、制作と普及の両面から活動を開始しました。日々、くみひもの新たな可能性を探求しています。

起業した理由

当初はメーカー勤務とくみひも制作を並行して行っていました。メーカーでは研究開発に加えマーケティングにも携わり、技術を生み出すだけでなく、それをお客様に届け、ブランドとして育てていく過程に関わる面白さを実感しました。
そんな中、ものづくりとそれを必要とする方へ届ける営みの両方に主体的に関わりたいと考え、自身の活動であるくみひもを軸に事業化を決意。
伝統的な技術を現代の生活に合う形に再編集し、長く使われる道具やアクセサリーとして提案することで、くみひもの価値を次の世代へつないでいきたいと考えています。

なぜ今、浅草にいるのですか?

くみひもは、江戸時代には刀紐として用いられるなど、日本の歴史の中で重要な役割を担ってきた技術です。その背景から、事業を始めるにあたり浅草からスタートしたいという思いがありました。
台東区浅草は、ものづくりと文化が集積した希少な地域であり、皮革産業をはじめとした多様な事業者が今もなお活動しています。また、地域としての支援体制が整っている点にも魅力を感じました。
さらに、国内外から多くの人が訪れる観光地であることから、文化交流の場としての可能性にも期待しています。こうした環境の中で、くみひもの新たな価値や用途を生み出していきたいと考えています。

死ぬまでに作りたい!あなたの逸品を教えてください

くみひもは、組み構造が数百種に及ぶといわれており、1300年の歴史の中で技術が蓄積・発展してきました。数理的な系譜を持つ工芸でもあります。
そうした歴史の流れの中に位置づけられるような、「新たなくみひも構造」と、それにふさわしい「数百年後にも残る現代の用の美」を体現した製品を生み出すことを目標としています。